推定54mg

それでも今日も生きている

労働で得るお金なんて対価にすぎない

「お金を貰う以上はプロなんだからプロとしての仕事をしなくてはいけない」という言葉をよく耳にする。どこの研修に言っても言われるし、そういう意識で仕事をしている人間も多くいる。この言葉を一番最初に言い出したのが誰なのかは知らないけれど、聞くたびにいつも「そりゃ無償でこんなことやんねえよ」と思う。

芸術家やアーティストなら、まだ、わかる。たとえば趣味で描く絵は、未完成だろうが落書きだろうが、誰にも迷惑は掛けないし、自分が満足した段階で止めてしまって構わない。けれど趣味で描いていた絵が、もし、誰かの目に留まって、「これこれこういう絵を描いてほしい。報酬は支払う」と言われ、それを受けたら、それを、落書きや未完成品で済ませてはいけない、だろう。金銭の授受や依頼-被依頼の関係が成り立たなければアマチュアで、それらが成り立てば、プロ、なのだろう。おそらく。スポーツだって同じだろう。

世の中にあふれている仕事だとかアルバイトだとかのうち、無償無給でも誰かがやりたがるものなんて、ほとんどないだろう。誰もやりたがらないからお金で釣っているだけにすぎない。だからアマチュアとかプロフェッショナルとか、気にするだけバカバカしい。もちろんプロ意識を持って立派な仕事をするのは個人の勝手だ。けれど、たとえばコンビニ店員とかが、最低時給ぎりぎりの報酬で「プロの接客」を求められるのは、すごく、かわいそうだなとおもう。時給888円のプロって何なんだ?ただ単に客が買いたい商品を受け取ってバーコードを読み取って渡すだけだろう。それでいい。明るい笑顔とか元気な接客とかを求めるからどんどん疲弊していくんだ。というかまあそれってセルフレジで事足りるわけで、セルフレジを設けている店舗もあるし、それはすごくいいことだ、とおもう。俺はセルフレジが好きだ。だってそこに人間はいらないんだ。

誰もやりたがらない仕事を、誰もしないで、世界が回るのは、素敵なことだろう。