朝なんて一生来ないでくれ

夜が続いてほしい。

いつまでもいつまでも夜が続いて、朝なんて来ないで、仕事に行かないで済んでほしい。今日という日にやり残したことが多すぎる。いや、今日という日を、何もせずに過ごしている。実際はきちんと仕事に行ったし、いや、仕事に、行って、ただそれだけだ。そのほかに何もしていない。漫然と夕食の買い物をして帰ってきた。肉を焼くだけの夕食を食べてあとはパソコンでインターネットを楽しんで、終わり。俺の人生、俺の今日は、それだけで終わった。なんて、ことを、信じたくないからまだ夜を続けていたい。今日の俺はまだ何もしていないから今日に終わってほしくない。起きていれば何かをできそうな気がする。実際は何もできないのにそう信じこんで、また夜中まで起きてしまっている。何かをしなくてはならない気がする。何をしたらいいかわからない。自分が「やるべきこと」の答えとかをインターネットで探してしまうといつのまにかきっともう朝になっていて、そして答えは、Not Found、見つかりません。404。インターネット上に俺の人生の答えは載っていない。ジョブズの伝記を読んでも孫正義の名言集を見てもイケダハヤトのブログを読んでも俺の人生の答えではない。田舎でのんびり暮らしたいな、とぼんやり思って地方移住についてググったりして、いや移住するくらいなら実家に帰れよと思って、けれど、仕事をしなくてはいけないのだった。「仕事さえしていればいい」と親が言うので。まあそれは言い訳として、そう、仕事をしないことには俺はアベンジャーズの新しいやつも観に行けやしない。マッド・マックスは2回観た。立川の映画館では平日1000円で映画が観られる。3Dは別途料金が掛かります。

生きていることに意味を見出したい。生きていることに意味なんかない。死体の流れるガンジス河を見たらきっと生に意味なんかないんだって思えるだろう。それでも俺は意味が欲しい。俺が生きている意味が、生まれてしまった意味が、俺を産んでしまった親への、贖罪、なのかもしれない、そういうものが欲しくて今日も夜を徒に過ごしている。